新NISAが2024年1月からスタートし、金融投資や資産形成といった言葉を目にする機会が多くなりました。
しかし、投資=ギャンブルのように感じてしまい、なかなか「はじめの一歩を踏み出せない方」も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、金融投資とギャンブルの違いや、金融投資に注目が集まっている理由を解説します。
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投資対象および商品の選択など、投資における最終決定はご自身で判断してください。
金融投資とギャンブルの定義
金融投資もギャンブルと同じで、投資先を見誤ると投資したお金が減ったり、最悪の場合なくなってしまうことがあります。
しかし、金融投資とギャンブルはまったく別のものです。
そこで本章では、金融投資とギャンブル、それぞれの定義を明確にします。
金融投資とは
金融投資は企業の株式や国の債券、不動産など、なんらかの金融商品に投資して、利益を得ることを目的としています。
金融投資で利益を得る主な手段は以下のとおり、投資した金融商品の「値上がり益」「配当金」「分配金」です。
また、株式投資にはトレード期間によって以下のような違いがありますが、金融商品の種類にかかわらず長期運用が王道的な投資方法になります。
- スキャルピング:数分〜数時間の短い時間で取り引きを繰り返すスタイル
- デイトレード:スキャルピングよりも長期だが、取り引き終了時刻までに取り引きを完結させるスタイル
- スイングトレード:数日〜数週間で取り引きを完結させるスタイル
- 長期運用:王道的な投資方法で数ヶ月以上運用するスタイル
なお、金融商品の種類と長期運用については以下の記事で詳しくまとめています。ぜひ本記事とあわせてご一読ください。
ギャンブルとは
ギャンブルは勝敗の結果が偶然によって決まる競技やゲームに、資金を投じる行為のことです。
例をあげると、以下のとおり、競馬や競輪、競艇、オートレース、パチンコ、宝くじなどが該当します。
前述したとおり、勝敗の結果が偶然によって決まる競技やゲームに資金を投じる行為がギャンブルなら、金融投資も同じと感じた方も多いでしょう。
そこで、金融投資とギャンブルの違いについては次章で詳しく解説します。
金融投資とギャンブルの違い
本章では金融投資とギャンブルの違いについて、詳しく解説します。
ギャンブルは損をするように作られている
見出しを見て「ぎょっ」とされた方も多いのではないでしょうか。
「ギャンブルは損をするように作られている」とはどういうことかや、金融投資とどのような違いがあるのか解説します。
まず知っていただきたいのが、ギャンブルにおける資金の流れです。
- ギャンブルの開催・運営者(以下、「胴元」)が、ギャンブルの参加者から資金を集める
- 胴元に集まった資金から、胴元の運営資金を引く
- 残った資金をギャンブルの勝敗に応じて分配する
以上の流れになるため、ギャンブルの参加者が得られる金銭の総額は、参加者から集められた資金の総額よりも必ず少なくなります。
ギャンブルに勝って利益が出た方は損をしていないと感じるでしょう。
しかし、ギャンブルに参加した方たち全体で考えると、投資した金額以上のリターンがありません。
したがって、必ず損をする仕組みになっていると言えます。
つぎは金融投資についてですが、株式を例にあげて解説します。株式における資金の流れは以下のとおりです。
- 株式会社が投資家から資金を集める
- 株式会社は投資してもらった投資家に株式(証書)を発行する
- 投資家は株式を取得することで株主になり、株主の権利を行使できる
- 株式を売却することで値上がり益(または値下がり損益)を取得できる
株式会社は一般的(※)に、利益の追求と株主への利益の還元が求められます。
※株式会社は利益の追求と株主への還元に加えて様々な社会的意義がありますが、話を分かりやすくするため「一般的」としました。
したがって、投資された企業は投資によって集めた資金を使って利益を得られるよう努力するため、投資家から集めた資金以上のリターンが期待できます。
対してギャンブルは、前述のとおり参加者から集めた資金の総額よりも、参加者が得られる金銭の金額は必ず少なくなります。
そこがギャンブルと金融投資の1つ目の違いです。
なお、株式以外の金融商品については、以下の記事で詳しく解説しています。
興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
ギャンブルは長期&積立投資できない
ギャンブルは開催日があらかじめ決まっていて、その開催日に出せる資金を投じることになります。
したがって、ギャンブルは長期で積立ができません。
また、ギャンブルの場合は勝って投資した資金以上の利益を得るか、負けて投資した資金がゼロになるか、2つに1つしかありません。
対して金融投資の場合は金融商品を購入することになるため、その時の状況あった資金を積立で投資することできます。
また、購入した金融商品を売却しなければ、その金融商品が無くならないかぎり保有し続けることができますし、投資額に応じて分配金が受け取れる商品もあります。
もし投資した企業が倒産してしまった場合は、ギャンブルで負けた時と同様、資金を投じて取得した株式の価値はゼロになります。
しかし、投資信託のように1つに投資することで分散投資できる商品を選べば、投資した資金がゼロになるリスクを下げられます。
金融投資とギャンブルでは税制が違う
金融投資とギャンブルでは、得た利益に対してかかる税金がことなります。
まず、ギャンブルの場合は年間50万円を超える利益が出ると、一時所得として税金がかかります。
かかる税額は年収を加味して決まるため一括りにして〇〇円と言えませんが、年収が高い方のほうが税額が増える仕組みです。
つぎに金融投資の場合、金融投資で得た利益に対して20.315%の税金がかかります。
なお、税金の内訳は以下のとおりです。
・所得税:15%
・住民税:5%
・復興特別所得税:0.315%
【備考】
復興特別所得税は東日本大震災からの復興を目的に財源の確保のために創設されました。
本記事を執筆している2024年3月時点では、2037年まで継続されることになっています。
前述のとおり金融投資で得た利益には得た金額にかかわらず20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を利用した投資についてはいくら利益が出ても税金がかかりません。
したがって、これから金融投資をはじめようと考えている方は、NISA口座を開設してNISA口座から投資することをおすすめします。
なお、以下の記事でNISA制度と2024年1月からはじまった新NISAについて詳しく解説しています。
興味のある方は、ぜひ一読してみてください。
まとめ
投資初心者の方に向けて、投資とギャンブルの違いについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
詳しく見ていくと、投資とギャンブルは違うものだと理解できたと思います。
新NISAは気になるが投資のことがよく分からず、投資=ギャンブルだと感じてしまって投資に「はじめの一歩」を踏み出せない方の助けになれば幸いです。
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